エモ捨て場

言葉にされない気持ちの墓場

死んだ後見た夢

アメ横の路地を進むと惣菜、魚介、ドライフルーツやスパイスなどが剥き出しに軒先に出されている。どこからか生臭さを凝縮させたような煙が立ち込めてくる。くさやを焼いているのだろう。ある店主に話しかけると、その倉庫に案内してくれた。冷蔵庫がヴーンと低い唸り声をあげる。そこにはあらゆるパーツが冷凍されている。脂身が少ない。赤みっぽくて牛肉に近い。紛争で死んだ女性のものらしい。18000円くらい。人肉。

 


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マッシュ。ダサいリュック。ノートパソコンのケース。浅い目の色。12cmくらい。スーツ。あまりタイプじゃない。妥協した。

 


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ずっしりした身体。前やろうとしてやれなかった人。反応がいい。玉を舐めても足の付け根を舐めても、首筋や耳、脇もどこを責めても反応が良かった。イクときにキスをすると抱きしめる力が強くなり僕の舌をぎゅっ噛んだ。

 


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引っ越しした。気に入らないものは全部捨てた。結露でカビの生えたカーテン。グラつくハンガーラック。100均で買った使えるけどダサいあれこれ。でもあの人だけは捨てられなかった。気にいらないのに。なぜか。一番捨てたかったものをまた家に持ち込んでしまった。

 


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隙あらばやろうとする。全方位的ヤリ目。あなたの思想も生い立ちも地位も職業も何の関係もない。やれるかどうか。それだけ。トイレで銭湯で電車で。そのうち全世界の男性が自分と同じ欲望を抱えているのではないかという考えに思い至る。ある日僕は満員電車の中でやたら目が合う男性と出会う。グレーのスーツ。シルバーのメガネ。艶のあるワックスで櫛目の入った髪。ほんのりと爽やかな香水の香り。一重の鋭い目。バックは使い込んだ、味野ある焦茶の革製。上から下まで舐め回すように視姦する。色の籠った目線から彼が僕を欲望しているのだと確信する。片手は吊り革に捕まりながら、もう一方の手を股間に当てる。スラックスの冷たいチャックに手をかけ引き下ろす。サラサラの生地の上からそれを撫でる。

「何してんだてめぇ。」

怒号が密集した人々の耳を劈いた。人々の視線が一点に集中した。僕は血の気が引きすっと手を引いたが、時はすでに遅かった。眉間に皺を寄せ顔を真っ赤にし見開いた目で僕を睨む。

「お前ちょっと来い。」

手首を食い込まれるほど強く掴まれ逃げることもできず、ちょうど終点で止まったドアから僕は引きづり出された。人々はさっと道を開け、何事もなかったかのように、また画面を見つめたり、眠気に頭を項垂れた。

 


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黄色のダウン。ダウンと同じような素材のノースフェイスのブーツ。浅黒い肌。白髪混じりの短髪。コートを脱ぐと白いスウェットにゴールドのネックレス。オラついてる服装。こんな人なかなかやる機会ないなあと思っていると、僕のものをしゃぶり出す。激しくストローク。そういうのが好きなんだ。頭を掴み喉奥に擦りつける。彼は前傾姿勢になってかがみ、自分のSiriに僕のモノを押し付ける。僕は彼の乳首を摘みながら彼のちんこを扱きながら、太腿と太物の間に自分のちんこをピストンする。やべえとかなんとか言って彼はイッた。

 


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もう既読にならないはずのアカウントにLINEを送る。何度も何度も送る。おはよう。帰るね。今日のご飯なに?いつか返事があることを期待してしまう。君はもういないのに。

 


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ハウリングをして足跡をくれた人にイイねを送る。今から行ってもいいですか?パジャマですけど大丈夫なら。夜12時そんなやりとりをしながらタクシーに乗り込む。地味な印象だったのにきっと遊んでる細やかなテクニック。キスの仕方で分かる。彼の固くなったものに触る。裏筋になにか窪みのようなものがある。脱がしてみると膨らんだ鬼頭は電球を思わせる。裏筋には大きな穴が空いていた。窪みの正体。きっとピアスの穴。多分。しゃぶったあと恐らくその穴が真空状態の尿道が唾液を吸い込むミョーんという間抜けな音を奏でた。帰りは30分かけて夜道を歩いた。