エモ捨て場

言葉にされない気持ちの墓場

何でも募集

結局のところ、彼は嫌だと思ったことを少しも耐えることができないのだった。自尊心だけが余計に高くて、自分が軽んじられることがあれば、そこから難癖をつけて逃げ出してしまうのだ。同じことを繰り返してきたのが彼の人生だった。そして彼もどこかでそれを自覚しつつ、だからと言って直すことはなく諦めているのか開き直っているのか、はたまた、精神構造上、どうしても不可能なことなのか、ただ彼がそういう人間であり続けたという事実だけが僕の目の前にあった。もし彼がもう少し忍耐のある人間だったら。僕は想像する。毎日一緒にご飯を食べたりだとか、一緒に安心して眠ることができただろうか。まだ愛らしいと思える横顔を眺め続けることができただろうか。彼はまた海外に出かけるらしい。今月末。出て行くと行っていた日にち。彼のノートを盗み見て知った。なんて馬鹿なんだろう。これからどうするつもりなのか。ねえ、死んだりなんかしないよね。



下着がドレスコードの飲み屋に行った。20代から60代?まで幅広い年齢層の客がおり、薄暗いけれど発展場よりは明るい店内で懐メロがカラオケから流れていた。人それぞれ思い思いの下着を身につけていて、ミッキーが総柄になったボクサーパンツだとか、競パンに上はジャージとゴーグルを首から下げたりだとか、GX3とかedgeのほどよくエロいパンツだとか。気さくに話しかけてくれた50代くらいのおじさんの隠れているようで隠れていないような際どいスケスケの下着や勃起してはみ出したマンキニを触りつつ眺めつつお酒を飲みながら過ごした。全然タイプではない人からも言い寄られたり触られたりした。まあ別に。お互い様か、とか思いつつやり過ごした。顔がよくなくても気さくでさえいればある程度触れ合えたりはするようだった。ガチムチのお兄さんは二の腕がぴちぴちなTシャツに脚が幅広く出たジョックスブリーフの下着だったけど可愛らしくアイドルの曲を歌った。歳を取っても性欲って衰えないんだな、でもみんな楽しそうだからいいのかもなと思った。

おじさん。シャツにフリース素材。先っぽを重ねて擦り合わせた。いけないと言われたのですぐに別れた。

ホテルに泊まりに行った。挿入するとゴムに汚れがついた。下に敷いていたタオルもほんのり汚れた。シャワーを浴びているときに、タオルはその1枚だけだと気づいた。敷いていたタオルの汚れていない面で身体を拭いた。その人と触り合いながら眠った。身体中に汚れが広がった気がした。気持ち悪かった。朝起きるとパンとカフェオレをくれたが、帰り道で捨てた。すぐに家で身体を隅々まで洗った。