エモ捨て場

言葉にされない気持ちの墓場

ごちそうしますね。

新幹線でその地方都市に着くと涼しい風が身を包んだ。待ち合わせ場所に来た彼は少し早めの長袖姿で、顔や雰囲気は写真と違わないことにほっとした。魚が美味しいのだという居酒屋で水のように美味しい日本酒をごくごく飲んだ。一貫1000円以上する雲丹のお寿司を食べた。癖がなく口溶けのよいそれはあっという間になくなってしまい、お酒飲んでない口で味わってみたかったねと二人して笑った。年下なのにお会計はいつの間にか彼が済ませてくれていた。手を繋ぎながらフラフラと歩き、タクシーに乗った。降りると街灯のほとんどない暗い夜道。玄関を入るとそのままくんずほぐれと押し合いながら絡まりあい酔っ払ってぼやけたあたまでお互いの肌を触り合い唾液で濡らし合いぐちゃぐちゃに。翌朝はモーニングフェラで彼をいかせて車に乗ってオシャレなカフェでランチしてそのまま駅に下ろしてもらった。帰りの新幹線でLINEを送ったけど相手からの返事はなく寂しくなったので×××に直行したが誰にも相手にされなかったので扉の隙間から誰かと誰かの行為を覗きみた。僕はあの人のことが少し好きになった。彼は僕をどこかに連れて行ってくれるだろうか。まつ毛の長さを誉められた。顔が小さくて可愛いねとキスされた。最近よく言われる。モテ期なのかもしれない。蝋燭が燃え尽きる前に大きく炎を揺らすみたいな感じ。女の子にも言われた。横顔を見つめられた。ある人と会う約束をした。コロナになったからと断られた。本当だろうか。カラオケでエロいことした人。また会おうと言ったが仕事がいそがしかったので断った。10月にまた会いましょう。それがなんだというのだろうか。自分の興味ある人が自分とやってくれる、それに何の意味があるだろうか。僕は自分が好きではないから、ヒトからの好意を素直に受け取れないなかもしれない。好き。あなたのことが好き。でもそれだけ。一緒にいれるかは分からない。好き。僕も愛をあげる。あなたは何もくれなくていい。今度は僕がご馳走しますね。