霊園

行き場のない言葉や気持ちの墓場です。

大殺界

占いって信じますか?
占いが嫌いです。なんで僕の人生微塵も知らない人間にずけずけと自分の性格や将来について口出しされなければいけないんだと腹立たしい気持ちになります。
占いなんて須らくインチキに決まっています。統計学だなんて言う人もいますが、そんなのこじつけです。
血液型占い…人間が四つの種類に分類できるなんて単純すぎです。

おみくじ…あんな紙切れに書かれた運命なんて軽薄です。
星座占い…生まれた月日だけで人間を判断しようとするなんて最低です。

動物占い…人間を獣に例えるなんて頭が悪い。低俗です。
そんな風にいつも占いなんて馬鹿にしているのですが(というかこの世界の全てを馬鹿にしているのですが)一方でなんだか気になって見てしまう自分がいます。
未来がどうなるのか、少しでも確かなことが知りたいじゃないですか。読みかけの小説の先のページを捲ってしまうそんな気持ちです。
あの、細木和子っていういかにも性格の悪そうなババアが作った六星占術っていうのあるじゃないですか、それによると僕の今年の運勢は大殺界なんだそうです。
大きく殺す界と書いて大殺界、分かりやすく言うと大凶ということです。思い出すのも嫌ですが、いろいろなことがうまくいかないそうです。
それを見た瞬間僕は、その○○星人と書かれた本をびりびりに引き裂いてその上に唾を吐いたあと、油をかけて燃や肥溜に捨てました。嘘です。気分が悪かったので、心の中でそのようにしました。
そうやって気にするくらい間に受ける自分がいながらも、やっぱり占いなんて…と真剣にしない自分もいます。
だって、そもそも人生において何が幸か不幸かなんてわからないじゃないですか。
ほら、世の中の成功者みたいな人は自分の人生を振り返って「あのとき苦労したおかげで今の自分がある」とかよく言ったりするらしいじゃないですか。
一瞬の不幸が後の成功に繋がるのならば、それはもう不幸ではないのではないのでしょうか。願わくば、僕の不幸もそうしたものであって欲しいものです。
流行り病とそれに伴う不況という大きな不運がこの世界を覆いつくしていて、それも僕が巻き込まれた大殺界の一部なのだろうか。
いや、きっと運勢がとっても良い人にもこの災いは降りかかっているのだから、やっぱり占いなんて信用できないな。

 


早く気軽にセックスできる世の中になって欲しいですね。
セックス以外で感情が動くことがなかなかないのです。やりまくりましょうよ。溜まるんですよ。
早くお互いの若さとか感情とか魂を消費しあいましょうよ。くだらなく。しょうもなく。
もともと何もやるべきことなんてない世界がもっと退屈になってしまいました。
普段のセックスだって少しは感染症とかリスクを賭けているんだから、その確率がちょっと高まるだけじゃないですか。
いつだってみんなギャンブルしているじゃないですか。どうでもいい自分をベットしているじゃないですか。
一説によるとこの状態は一年以上、いや五年から十年続くなんて話もあるそうです。どうなるにせよ、世界はもう元の形には戻らないんでしょうね。
今は雇ってもらえていますが、僕の仕事もどうなってしまうのだろうと日々思います。
まぁ、それはみんな同じか。自分の力でどうにもならないことをあーだこーだ考えてもどうしようもないだけですね。
当てのない将来を予想するなんて、それこそ、占いに頼るのと同じですね。
綺麗な花を摘んで、好き嫌い好き嫌い好き嫌い、うまくいくうまくいかないうまくいくうまくいかない…。
今何をしようとしても、一寸先は闇なのだから、花びらをひらりひらりと千切るように、どうせなら楽しくやりましょうか。
占いと同じくらい全てのことは不確定で、約束された未来などないのだから、都合よく折よく、全てを馬鹿にした醒めた心で自分の信じたいものを信じようと、そう思います。